流通数は少ないですが確実に市場に存在する水害車。中古車検索システムで安い順に表示した時に一番最初に出てくる車が水害歴車だというケースは意外と多いです。
水害車は津波や台風などの天災が発生した直後に流通数が増加します。相場より格安に値段設定がされており不具合がなければ水害車も検討しようと考える方も多いのではないでしょうか?
逆に水害歴車を売却したいと考える方もいるかと思います。水害車は知識がなければ引取手数料を取られたりなど損をする方が非常に多いです。
私はカーライフアドバイザーとして水害車を多く見てきており実際に販売した実績もございます。
水害歴のある車には電気系統の不具合が非常に多いです。
この記事では水害歴車の購入前の注意点や売却方法について現役カーライフアドバイザーが解説していきます。
※この記事は以下のような疑問をお持ちの方に向けて記載しています。
業者オークションでの評価
業者オークションでは基本的に1~5点で評価されます。水害歴車に関しては1点か2点の評価とされます。プロの目には水害歴の有無は一目瞭然です。
しかしオークションとは言えどあくまで人間の目の判断になります。検査も案外いい加減で検査員によって見落としもあります。
中古車販売店に「オークション評価は高得点でした」と言われても実際は水害歴車でしたということもありえます。
業者オークションには水害車や盗難車といった粗悪車が多く流通しています。どのようなものかある程度判断できる能力を身に着けましょう。
【ニコイチ/目玉抜き】違法盗難車の流通方法を分かりやすく解説 - タケノコCARS
見分け方
ではどのように見分ければよいのか?ということですが実際に見分けるのはかなり難しいです。
販売店が仕入れてきたままの状態でしたらわかると思いますが販売店も綺麗に掃除してからの展示となりますので素人目で少しでもわかるように解説していきたいと思います。
見た目
水害歴車を素人の方が見分けるのは非常に難しいです。プロでも水害車に出会う機会は少なく見分けがつかない方も多くいます。
私は実際に数十台の水害歴車を見てきました。その中で感じた水害歴車の特徴を解説します。
「もしかして水害車?」と少しでも感じることが出来るように覚えておいてください。
水害車はゴムモールの隙間や内装トリムの内側などに粉状の泥が付着しています。少しオーバーですが下記がイメージ画像です。
外装でもエンジンルームや足回りに泥、サビが固着していることがあります。水害で固着した泥はかなり固く水や洗剤でも洗い流すのは困難です。
臭い
臭いでの判断方法ですが優先度としては見た目での判断が優先となりますので見た目で怪しいと思った車両に関しては臭いにも注意してみましょう。
基本的に水害車は車内が浸水し一度乾ききっている為カビ臭いにおいがしやすいです。
またエアコンを作動させ、送風口からもカビ臭いがするようでしたら要注意となります。
エアコンに染み付いたカビの臭いはエアコンの内部にまで浸水している為、清掃や消臭が不可能となりますのでよく確認してみてください。
不具合
もちろん怖いのが水害による不具合です。
「不具合さえなければ水害であろうとかまわない」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
実際に販売店へ水害車を見に行った際に確認しておいたほうが良い点も含めて解説していこうと思います。
ボディへの不具合
真っ先に思いつく不具合としてボディへの錆の発生があります。
錆による影響はすぐには発生しません。しかし長期的な所有を考えた場合、外装の腐食が発生し最悪の場合は穴が開くことも御座いますので錆の状態はよく確認しておきましょう。
また足回り部品などが錆によって朽ちていた場合は走行上の支障が発生する危険性がありますので水害歴車の錆を確認するときは下回りの確認は絶対に必要です。
電気系統への不具合
次に怖いのが電気系統への不具合です。パワーウィンドゥ、パワースライドドアが動かない。等の不具合が実に多い印象です。
また近年の自動車ではこのような電気トラブルが発生した場合にコンピュータがエラーを検知しチェックランプ表示されることが多い為、水害歴車を見るときはメーターのチェックランプ表示がされていないかを確認しましょう。
しかし悪徳な業者はチェックランプが光らないよう細工を施す場合がございますので
エンジンをかけたときに一度すべてのチェックランプが点灯し、それから消灯するのを確認するようにしてください。できることなら試乗も行いしばらく走行した後もチェックランプが点灯していないかを確認してください。
販売店によっては自動車のコンピューターに接続する診断機によって一時的にチェックランプを消すことができます。しかし何かしらの不具合があれば少しすると再びチェックランプが点灯するはずですので試乗するのは異常を確認するのに有効な手となります。
購入時の注意点
水害車を購入する際の注意点としては必ず保証が最低1年以上ついている販売店から購入しましょう。
ボディの錆や臭いはどうすることもできませんが電気系統やその他走行上のトラブルが発生した場合にしっかりとサポートを受けられることを確認してください。
水害による電気系のトラブルは基本的に1年間発生しなければそれ以降は発生しないと考えてよいでしょう。
例えばスマートフォンを水没させたとして電源が入らなくなるというケースはよくあると思いますが水没が原因で1年後に不具合が出たという話は聞いたことがありませんよね?
このように水害によるトラブルは基本的に直後に発生しますので最低1年の保証を受けられればうまく付き合っていけるでしょう。
またその保証がどのような保証内容なのかも確認してください。できれば自身が選んだ工場へ持ち込み費用の支払いをしてもらえるような保証が良いでしょう。販売店にまかせて誤魔化しのような修理をされたらたまったもんではないですよね?(笑)
水害車の告知義務
販売店には顧客への販売時に水害歴の告知義務があります。
そのため購入後に発覚したというケースは少ないですが、
記事の冒頭でも解説したように仕入れ時にオークション会場が見落としていることも
ありますので売却時に実は水害歴車でした‼という可能性も少なからずあります。
その場合は下記のリンクから自動車査定協会に問い合わせを行い、
本当に水害歴車なのかを確認してみてください。
水害歴車の売却はMOTAがオススメ
車は仮に水害車だったとしても必ず資産になります。これを知らずに損する方を多く見てきております。
1社だけで査定をした場合「水害車だから値段をつけられない」と必ず言われます。水害歴というハンデを背負っているからこそ必ず一括査定をご利用ください。
【口コミ】MOTA一括査定ならしつこい電話なしで高額買取【評判】 - タケノコCARS
上記の記事でMOTAについて詳しく解説しております。水害車の売却にお困りの方は御覧ください。
まとめ
最後に水害歴車は買い手がよく理解し目利きが出来れば非常に安く目当ての車を購入できます。
これまで解説してきた通りリスクがありますので、車内の臭い、錆をどこまで許容できるか販売店のサポート体制がいかがなものかをよく調べて購入するようにしましょう。
中古車では修復歴車や水害歴車のようなマイナスイメージを持たれやすいような車両も多くあります。
それらの程度を見抜くだけの知識を持っていれば掘り出し物を見つけられることも数多くありますので、
是非一度どのようなものかを自身の目で見ておくと次の中古車購入の力となりますので是非参考にしてみてください。